つまらない者ですがっ

日々の日記の代わりに何かあったことを綴っていきたいと思います。

サイレントテロ

中国では”寝そべり族”なんてものが社会問題になっているらしい。寝そべり族とは出世や裕福な暮らしをあきらめ、なるべく消費せず結婚せず子供も作らない、必要な分だけ稼いで後は何もしないという生き方である。これはニートやフリーターとは違い「上流階級に採取されることを拒否する」といった社会への抗議運動でもあるようだ。

中国ではいい大学を出てもいい就職先があるとは限らない。入ることができたとしても過酷な労働環境が待っている。そもそも日本以上に貧富の差が大きく底辺に生まれた人は一生底辺で生き採取され続けなけれなならない運命にある。そんな彼らが努力することを放棄し寝そべる事を選ぶのも不思議ではない。

国力が下がると中国政府はこれに危機感を覚え声明を出したらしいが彼らがそれに耳を傾けることはない。表立っての政府への反抗ではないので罰することもできない。

人よりいい暮らしがしたい、モテたい、ブランド品が欲しいみたいな欲求こそが成長への大きな原動力となる。そしてそのように向かうようTVやネットは強者の決めた価値観を植えつけ消費することを強いる。だがそれを捨てて手に入らないものは始めから望まず、競争をせず、なるべく採取されないようにする生き方はそんなに悪いとは思わない。日本なら中国よりよっぽど社会保障は手厚いし分不相応なプライドや価値観を捨てれば余裕で生きていくことが出来そうではある。最近話題になる”無敵の人”のように自暴自棄になって事件を起こさなくても、なにも望まない寝そべり族のような生き方が競争社会への一番のサボタージュではないだろうか。